
「西来寺報 2020年春号」の内容
お釈迦さまのこと
仏教の開祖お釈迦さまについて
(前回の続き)
令和2年(2020年)年回表
春のお彼岸
3月17日(火)〜23日(月)
本堂の受付は22日(日)午後4時まで(予定)
令和二年ことはじめ
年末年始の西来寺
てくてくむっちゃん
親鸞聖人の最初の奥様は誰?
京都 西岸寺様を訪ねて
健康コラム
ゆったりコツコツ お家ヨガ(2)まい
春を迎える身体の準備
令和元年10月28日(月曜日)暖かい日差しが照り、心地のよい秋風が本堂の報恩講幕を揺らします。
今年も本堂は満堂となり、ボランティア運営スタッフの声がけに、聴講の方も席の移動を率先してくれるなどなごやかな雰囲気の中、法要が始まりました。
報恩講のときは内陣の飾りもいつもと違います。赤い打敷、朱蝋燭など、そして大きく美しい生け花。準備に駆けつけてくださった檀家の皆様よって飾り付けをおこないました。
記念講演 ひろさちや氏『お釈迦さまの言ったこと』
ひろ先生から電話がありました。「講演会に椅子を用意しておいてくれる?」とのこと(通常ひろ先生は椅子を使わないのです)。続けて、「2月に脳梗塞をやってまだ半身にマヒが残っているので。」と仰いました。
私は驚きました。先生の声が以前と変わらないように思えたので。
先生は「言語中枢は大丈夫だけど、足にマヒが残っているので妻が一緒に来ます。」とのお答え。車でご自宅までお迎えに行きますと申し出ましたが、電車で大丈夫とのことでした。
も~ 私はそれから心配で心配で。「何かあったらどうしよう。」「講演中にお具合が悪くなったらどうしよう。」「でもみんな楽しみにしているし・・・」と。
西来寺に到着したひろ先生は、杖をついていらっしゃいましたが、顔色はいつも通り元気そうで、側では素敵な奥様が支えていらっしゃいます。
講演会が始まると最初ちょっとゆっくりめで話されていましたが、徐々にいつものひろ先生の調子になっていきました。
年内にあと3冊本を出版予定とのこと。ひろ先生の凄さを実感しました!
合掌
西来寺坊守 大塚睦子

講演より抜粋
お釈迦様がいったことのひとつに、「苦集滅道」という言葉があります。
苦集滅道(くじゅうめつどう)、四諦(したい)といいます。4つの真理ということなんですが、このひとつひとつに込められた、お釈迦様がみなさんに伝えたかったこと、ほんとうに言いたかったことをお話します。
苦 人生は苦しいもの?
生きてるときは楽しいことだっていいことだってあるのに、人間だれでも死ぬんだから苦であると?
はたして、それだけなのでしょうか。煩悩即菩提(ぼんのうそくぼだい)、私たちは、悩みを持っているから悟らなければならないと、悩みと悟りを分けて考えてしまいます。悩みも悟りも同じものなんだよと、分別(ふんべつ)しなさんな、と仏教は教えられています。
苦とは、「思うがままにならないこと」ですが、「思うがままにならないことを、思うがままにしようとすること」が苦であるというわけです。
集 苦の原因は欲望?
植物のタネというのは芽が出る直接の原因ですが、土や天気などいろんな環境が適当に重なって発芽します。
因縁(いんねん)の「因」とは、直接の原因のこと、「縁」とは、間接的な原因のことを意味します。この言葉のように、夫婦喧嘩もそうですね。できごとの原因というのはいろんなものごとが集まっています。
「原因なんてわかんないんだよ。わからんことはわからなくていいんだよ」ということなんですね。
滅 欲望を無くせばうまくいく?
風が吹けば花が散るとしましょう。風が吹かなければ花は散りませんか? 風が吹きやめば、花は戻りますか? そんなことはありませんね。原因を滅しなさいということは無理なことなんです。流れる水を流してあげること、調節しなさいということ、少しずつ調節しなさいということ、それが滅なんですね。
「欲望を”ほんのちょっと”少なくしなさい」ということなんです。
道 理想は八正道?
「正」という字はとても困りものです。「正」という字の作り、甲骨文字を見てみると、城壁に囲まれた街を軍隊が征服しようとしています。正しいことは皆さんが思っているほどよいことではないわけです。だから、正しいことにこだわらない方がいいのです。煩悩もあっていいんです。
お釈迦様の言った「苦集滅道」は、みなさんがどういうふうに生きればいいのかということを教えています。
それは、おおきな道ですね。
お釈迦様は星みたいなものです。
星をめざして歩けばいいんです
星に到達できないんですね。ぜったいに悟りなんてひらけない。
「わからないことはわからないとわかることがわかる」それが「悟り」なんですね。
みなさん、人生を「のんびり ゆったり ほどほどに」生きていただきたいと思います。
写真集
準備風景
内陣の飾り


























法要 – ヨガ – 講演









































終演後
















日時:令和元年(2019年) 10月28日(月曜日)
法要開始:午後1時より(終了 午後4時)
場所:西来寺 本堂
《 記念講演 》
ひろさちや氏 講演
講題:お釈迦さまの言ったこと
講演開始 午後2時15分
一般の方で聴講をご希望の方
参加費:1000円
往復はがきでお申込みください。
応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。往復はがきでお申込みください。
応募者多数の場合は抽選とさせていただきます。
<往信面>
〒238-0051
横須賀市不入斗町3-38
西来寺「報恩講実行委員会」宛
・ご住所
・お名前(代表の方)
・年齢(代表の方)
・ご参加人数
・電話番号(当日のご連絡用)
<返信面>
代表者様のご住所・氏名を明記してください。
※文面は白紙でお願いいたします。
当日は混雑が予想されるため、お立ち見となってしまう可能性がございます。あらかじめご了承くださいますよう、お願い申し上げます。

チラシの挿画:田所一紘氏 プロフィール | 衣笠洋画研究所
お釈迦さまの言ったこと
報恩講講演「世界の宗教」「お念仏」「日本の宗教」と続いて、ひろ先生4年目の今年は「お釈迦様の言ったこと」です。
お釈迦様(ゴータマ・ブッダ)は、29歳で王子の身分、妻子を捨てて出家し、6年とも7年とも言われる修行の後、悟りに到った方で、紀元前5世紀前後(諸説あります)にインドに実在した人物です。悟られてからは「いかに生きるべきか」を人々に説いて歩きました。そして多くの人々に生きる力を与えたのです。
─あたかも、母が己が独り子を命を賭けても護るよう そのように一切の生きとし生けるものどもに対しても、無量の慈しみのこころを起こすべし─
これもお釈迦様の言葉と伝えられています。
なくなる前に故郷のルンビニーを目指して旅に出ます。その途中大地をふり返り ─この世は美しいものだし、人間の命は甘美なものだ─ と言ったとされています。これが仏教の始まりです。
何が起こるか分からない、どうしていいか分からない殺伐とした現代、お釈迦さまの言葉が大きな道標となるのではないでしょうか。
西来寺
ひろ さちや氏 プロフィール
仏教を中心に宗教をわかりやすく説き、多くの人々の支持を得る。宗教思想の研究、講演などに活躍。
1936年 大阪市に生まれる
1960年 東京大学文学部インド哲学科を卒業
1965年 同大学院博士課程を修了
著書
「狂い」のすすめ(集英社)
釈迦とイエス(新潮社)
ひろさちやの般若心経88講(新潮社)
仏教に学ぶ老い方・死に方(新潮社)
ポケット般若心経(講談社)
仏教はじめの一歩(春秋社)
「いいかげん」のすすめ(PHP研究所)
など500冊以上

画像をクリックすると大きく紙面がご覧いただけます[PDF 1.2MB]
お釈迦さまのこと
仏教の開祖お釈迦さまについて
写真 西来寺のハスの花
秋のお彼岸
9月20日(金)〜26日(木)※ 本堂受付は22日(日)まで
報恩講 ひろさちや先生「お釈迦さまの言ったこと」によせて
令和元年 報恩講の日程
2019年10月28日(月)法要開始 午後1時
お待たせしました!本堂に冷房が入りました
特大クーラーが 二台!
仏教とヨーガ in 西来寺 本堂
秋から寺ヨガがはじまります。
次回「寺ヨガ」の日程
2019年10月4日(金) 午後2時〜3時

去る6月28日(金)の同朋会では、後半30分間の時間を利用して、「おためし寺ヨガ」をおこないました。
指導してくださる先生は、ヨガインストラクターの長谷川麻衣さん。小柄で、背筋がすっと伸びた姿勢が印象的。5年間の介護職の経験を活かしてヨガを教えています。

「テレビでも流行っていて、カルチャーセンターなどでも人気の〈ヨガ〉ですが、ヨガは、スポーツでもフィットネスでもありません。今日おこなうのは、座りながらできる〈チェアヨガ〉といわれているものです。車椅子の方でもできます。」
先生がヨガと出会ったのは、介護の仕事をしていたとき。悲しいこともあり、精神的にも肉体的にも辛かった時期だったそうです。そんな中でのヨガとの出会いは、心がすくわれるようなものだったと言います。
「ヨガで一番大切なのは呼吸です。普段ふつうに使っている呼吸です。呼吸に集中することで、いらないものにとらわれない気持ちになります。執着を手放すことで、日常でも自分を見つめられるようになります。さあ始めましょう。今の自分の状態がどんなかな? と見つめてみましょう。」
本堂の空間に先生の声がしずかに流れていきます。目をつぶって先生の声と自分の呼吸に集中していると不思議と身体が楽になっていきました。帰りのころには、みんなの背筋が伸びているのに気がつきました。そういえば、自分もずいぶん肩がひらいて、あらら? いつもの肩こりはどうした? 体がとても軽くなっていました。
西来寺 本堂での「寺ヨガ」、みなさんもぜひ体験してみてください。

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お念珠
写真:インド アジャンター石窟寺院の壁画
写真:境内の菩提樹
2019年のお盆日程
※ 本堂の受付は、9時 〜 17時です
新盆 7月8日
新盆経。西来寺では昨年の6月から今年の5月に亡くなられた方の御家族を集めて法要をします。
(該当の方にはご案内差し上げています)
お盆 7月13日 〜 7月16日
東京地方、横須賀市中心部。
旧盆 8月13日 〜 8月16日
月遅れのお盆。葉山、鎌倉方面、全国的にはこちらの方が多い。
合同帰敬式 令和元年9月上旬にやります!
ご希望の方はお電話でお申込みください。
親子二代で書店と玩具店を経営している門徒さん
平岡増雄さん
昭和二十二年創業の「三雄堂書店」と昭和四十三年に開店した「おもちゃの王様」は、衣笠仲通り商店街にあります。一階の書店を次女が、二階の玩具店は三女がそれぞれ後を継いで、地域のお客様のお役にたつ様頑張っています。
同朋会の後半30分間を利用して、「おためし 寺ヨガ」をします。
日時:2019年6月28日(金)
場所:西来寺 本堂

いま 伝えたい こと
中村元先生の最後のねがい
前田 專學
ある日大塚さんから、西来寺で出している冊子に小学生から高校生向けに「いま伝えたいこと」と題して原稿を是非寄せて頂けないかとの依頼がありました。そのときは簡単にお引き受けしたものの、今こうして実際に筆を執ってみると、小学生向けと高校生向けのものとは、程度の差が大きすぎるので、やむを得ず中学生から 高校生向け、というよりはむしろ高校生向けにさせて頂きたいと思います。高校生の方で、小学生や中学生の弟妹がおありになる方は、お読みになったら、その方々にお話して上げて下さい。
私が今皆さんにお伝えしたいことは、私の大学時代の恩師であった中村元先生と その先生がご自分の墓石に残された「ブッダのことば」です。

平成31年4月1日発行
著者 前田 專學
挿画 田所 一紘
A5版/26ページ
発行 西来寺

前田 專學(まえだ せんがく)
1931年4月1日生まれ 名古屋市出身 東京大学名誉教授
公益財団法人 中村元東方研究所理事長・東方学院長 中村元記念館館長
史跡足利学校 庠主 日本印度学仏教学会名誉会員
公益財団法人 日印協会顧問 第 回日本印度学仏教学会賞 日本学士院賞 中国北京社会科学院名誉研究員 勲三等旭日中綬章
韓国東国大学賞牌
スリランカ共和国ビクシュ大学名誉教授
タイ王国衆議院仏教事業委員会功労賞
インド共和国パドマ・シュリー勲章 等
NHK「こころの時代」、「ラジオ深夜便」など多数出演。
著書に、『ブッダ—その生涯と思想』 『インド哲学へのいざない』など多数
著者の前田專學先生は中村元先生の一番弟子にあたられる方で、お二人の間には温かく時空さえをも超えるような信頼関係があることが、傍目から見てもわかりました。それは他の追随を許すものではなかったように思えます。
中村先生、前田先生のこの本をこの度西来寺より出版させて頂くことができ、仏教に携わるのものとして、これ以上光栄なことはありません。
一人でも多くの方が、中村先生、前田先生の心を受け取ってくださることを願ってやみません。
平成三十年 西来寺
合掌
ご本尊にお参りしましょう
平成31年(2019年)年回表
今こそ 生きる仏教を
「いま 伝えたいこと 中村元先生の最後のねがい」発刊によせて
行ってみよう
毎月28日は同朋会
春のお彼岸
2019年 3月18日(月)〜24日(日)
本堂受付は21日(お中日)まで
上の画像をクリックするとご覧いただけます[PDF 500KB]
本誌掲載、2019年1月28日の同朋会のもようは、こちらでご覧いただけます。